平成28年3月号



ヘレン・ビル/作 みやゆう/訳 ルイス・スロボドキン/絵 瑞雲舎

 むかし あるまちの、くつやが とてもりっぱな くつを つくりました。みんなが きんいろに かがやく くつを「おうさまがはくような くつだ」とほめました。くつは、すっかり うぬぼれやに なってしまいました。
 あるひ、うぬぼれやのくつは くつやを ぬけだし おしろに むかいました。
やっとおしろに ちかづいたころ、どしゃぶりの あめが ふりだし、くつは どろまみれに 
なりました。そのまま くつは おしろのなかに はいっていきました。
 さて、くつは どうなったのでしょう。とってもゆかいなお話(はなし)です。
  えほん



ジーン・ジオン/作 小宮 由/やく マーガレット・ブロイ・グレアム/絵 大日本図書

 ハリーは、くろい ぶちのある 白い犬(しろいいぬ)です。
ハリーは、きんじょにすむ人(ひと)が みんな すきでした。でも おとなりさんだけ すきになれませんでした。おとなりさんは、大(おお)きなこえで うたを うたうのです。しょうぼうしゃの サイレンよりも、ねこが なくより こえは大きいのです。
 ハリーは、うたを きくと、耳(みみ)が いたくなってしまいます。そこでハリーは、なんとかして うたを やめさせようとしました。まどの下(した)へ ともだちも つれだって ほえたり、うしたちを あつめて ほえたてたりしましたが、うまく いきませんでした。
 ハリーは、ついに いいことを おもいつきました。それは…。
  低学年から



あさのあつこ/作 本田 亮/絵 講談社

 美生(みお)のママは、村(むら)にひとつしかない診療所(しんりょうじょ)でたった一人(ひとり)のお医者さんで、なくなったパパのふるさとで、がんばっている。背が高い
(せがたかい)ママは、白衣(はくい)がよくにあって、かっこいいけれど、とてもいそがしい。かんじゃさんは、ほんどがおとしよりで、話(はなし)をちゃんと聞(き)くのも、お医者さのしごとなのだそうだ。
 ママのお仕事が大変(たいへん)なのはわかっている美生だった。でも美生は、かみをきれいに結(ゆ)ってくれ、ケーキを作(つく)ってくれる仲(なか)よしのまいちゃんのおかあさんが、うらやましかった。
 ある日、美生は気(き)もちが悪(わる)くなったが、ママはいそがしくて…。お医者さんの仕事がわかるまめちしきつき。
  中学年から



吉野万里子/作 宮尾和孝/絵 学研プラス

 5年生の葉太(ようた)の学校は、フェンスで区切(くぎ)られ、半分(はんぶん)は校庭(こうてい)で、半分は昔(むかし)、植物園(しょくぶつえん)だったころの元園長(もとえんちょう)の庭(にわ)になっている。学校と植物園は、昔は自由(じゆう)に行(い)き来(き)ができたらしい。園長の庭はどんなようすだろう。
 1年生の時に、ノートをもらい、ひとりずつ観察(かんさつ)をする担当(たんとう)の木が決められる。葉太の担当は、ハカラメという木だったが、3年以上(いじょう)、林(はやし)へ行っていなかった。ハカラメは枯(か)れてしまった。葉太は、自分(じぶん)が観察をさぼったせいだと思っていた。でも、もう一度ハカラメを見にいくことにした。校庭をぬけ、つきあたりに木戸(きど)を見つけた葉太は、入ってみることに…。そこにはひみつがあった。
  高学年から