令和8年6月号
 『百十三代目の司書見習い』
 
 スチュアート・ウィルソン/著 児玉 敦子/訳    東京創元社

  13歳になり、何かの職業見習いになることが決まる〈召命〉の日を迎えたオリバー。6人兄弟の末っ子である彼は、5人の姉たちのような立派な職業につくことを父から期待されていました。しかし彼が採用されたのは全く興味のなかった図書館でした。しかも師匠となる司書が出勤初日に亡くなってしまい、何も知らないまま一人で図書館を切り盛りすることになります。利用者も蔵書もとにかく奇妙で、さっそくオリバーは凍らせる本の被害にあいます。図書館のことをよく知っている謎の少女「アガサ」やネコたちの助けを借りて本の脅威に立ち向かう不思議なお話です。


 



『風わたる街』

 
  茂木 ちあき/作   新日本出版社

 大正から昭和への移行期、「デモクラスィー」時代のお話です。千葉の農家に生まれた伊織は教師になるために、東京にある師範学校へ進学します。関東大震災から3年後の東京は、表面的には復興しているように見えて、実は裏通りは失業者や孤児たちがあふれていました。伊織がその裏通りに入り込んだとき、朝倉という男子学生に声をかけられます。伊織は彼に導かれ、貧困家庭の子どもや親を失った子どもたちを保護する「きぼうの家」の学生指導員となります。優しい人たちに支えながら奮闘する伊織。やがて「きぼうの家」に暗い影がやってきます。この当時、治安維持法が制定され、厳しい取り締まりが行われていたのです。






『がんばりやのなまけもの』

 そめや まい/さく   みらいパブリッシング 

   東の空にそびえ立つ大きな建物で働く3本指のなまけものは、誰よりも仕事熱心で、森で評判の頑張り屋でした。彼は何人分もの役回りを抱えて働き、その分周りからも期待されて、また仕事が増えていきました。しかし、いつの頃からかひどく疲れるようになり、心に余裕がなくなります。いつまで頑張ればいいのか分からなくなってきたころ、突然その日はやってきます。体がなまりのように重くなりベットから起きられず、頑張れなくなってしまったのです。そんな自分を責めて、家から出られなくなったときに、親友のねずみが心配してやってきました。








『人生がちょっとよくなる文章術』

 
 斉藤 洋/著   講談社 

 先月の「読書術」に続き、今回は「文章術」です! 著者である斉藤洋さんも、実は文章を書くのが嫌いな少年だったそうです。コツは「ちゃんと書く」ことをやめること。まずは思いついた物を一つ書いて、その前に思いついた言葉を付け足していきます。例えば「指」→「私の残念な指」→「ドからレまで届くけどピアノの技術がない私の残念な指」→「ドからレまで届くけどピアノの技術がないうえに、本番では手の震えが止まらない私の残念な指。」と、続けていくと1文字から44文字に!「上手に書かなければいけない」は置いといて、楽しく書くと苦手な意識はなくなりますね。