令和8年度4月
 『ヨコスカストーリー』
 
 花形 みつる/著   理論社

  日本が高度成長期の頃、朝鮮戦争やベトナム戦争を背景に、よし子の小学生時代と、その弟光毅の小学生時代、横須賀の米軍基地の街で生きる子供たちを描いたお話です。栗色の髪に端正な顔立ちのテッちゃんや、ケンカの強いケイティたちは「あいのこ」と呼ばれていました。当たり前にアメリカと日本との混血の子どもたちがいる街でも差別は容赦なく、取り巻く家庭環境や肌の色で彼らは心を歪ませていきます。日本人の中にいてもアメリカ人の中にいても異邦人扱いをされるテッちゃんがよし子にその苦悩を漏らす場面は印象的です。


 



『「面白い!」を見つける物事の見え方が変わる発想法』

 
  林 雄司/著 筑摩書房

 WEBメディア『デイリーポータルZ』編集長の著者による、世の中を面白がる発想法満載の本書。この本は、だれかが用意した「面白いもの」を楽しむだけでは物足りないと思っているあなたのための本です。いつもの風景、いつもの通学路…そんな場所も視点をずらして観察してみると、自分だけの「面白い!」をたくさん発見することができます。それができると毎日が観光気分、ご近所がテーマパーク化するかもしれません。そしてその「面白い」を発表することは、落とし穴を掘る楽しみだと著者は語ります。あなたの掘った穴にうっかり落ちた仲間と面白さを共有したり、一緒に大きな穴を掘ったり、発展させてなにかを生み出すことにもつなげられそうです。





『うちのおじょうさん』

 
 くまくら 珠美/著     理論社 


 おじょうさんの大切なものは、ごはん、おもちゃ、ふくろ、蜘蛛、かぜのにおい、けだま…。おじょうさんとは作者の飼っていた猫のことです。子猫だったおじょうさんと初めて出会ったのは動物病院でした。くいしんぼうで、おこりんぼう、トイレで待ち伏せし、おかあさんの無事を確認します。「やってほしくない」と思うことを十中八九やってのける天才でもあります。一緒に過ごしている動物がいる人は「そうそう、うちも!」と家にいるおじょうさんや坊ちゃんを思い浮かべるかもしれません。愛しい存在との愛しい毎日、でもいつかは終わりがやってきて…。







『哲学なんていらない哲学』

 
 あの/著    KADOKAWA

  ―周りとちがうのはつらいこと。 ちがっていると生きづらい- 現在、モデルやタレントとしても活躍しているアーティストの「あのちゃん」の哲学書です。中学時代に壮絶なイジメを経験し、高校を数か月で辞めた彼女が実体験をもとに導き出した生き方とは?自分流の言葉で思ったことを正直にテレビで言える「あのちゃん」に共感する人もいれば、苦手な人もいるかもしれません。しかし辛い経験をしても「僕はいつでも僕だ」という信念や、「人を傷つけず、自分を高めることで他者へ復讐する」ことは誰でもできることではありません。