平成7年7月7日の七夕の日、待ちに待った伊万里市民図書館が誕生しました。「図書館づくりをすすめる会」の8年半に及ぶ努力の結果です。 当日、館内を喜々として歩き回る中学生や高校生、また“子ども開架室”の絵本に手を触れて嬉しそうに笑っている幼子、なかでも「わあ~、気持ちのよかぁ~」と、“のぼりがまのへや”の床に大の字になって寝そべっていた数人の男子中学生を昨日のことのように思い出します。その子たちの目はきらきら輝き、やさしい木の香りの中に収まった本たちに抱かれ安心している姿に見えました。私も同じでした。目の前に広がる素晴らしい空間と文化の香りいっぱいの本たち…、それらは明日への活力と希望を充分に満たしていました。…あれから25年、あの子たちはもう壮年期です。いろんな分野で活躍していることでしょう。そして、きっと自分の子供らを連れてこの図書館を利用しているに違いありません。私も「知の宝庫」であるこの図書館で多くのことを学び、多くの人と出合い活動し、充実した日々を過ごしてきました。 |
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平成12年の「図書館フレンズいまり」の総会で、森田一雄氏(元伊万里市立図書館館長・現図書館建設における理念の担い手)は“「もつ」ためでなく「ある」ために”というアメリカの社会学者の言葉から、図書館は、「ある」生き方を求める人の施設、ただ物を持つ、知識を持つのではなく、それらを耕し生かしていく生き方を求める人の施設でもあると話されました。図書館のパートナーである「図書館フレンズいまり」は“協力と提言”というスローガンを掲げて、私たちの市民図書館がほんとうに「ある」ために、市民みんなのパイプ役を担い、図書館との協働を続けています。私は、今後も伊万里市民図書館が単なる図書館ではなく、ふるさと伊万里にしかないオンリーワンの図書館で「ある」ための活動が続いていくことを心から願っています。 (國武 みどり) |
第4回
伊万里市民図書館・学校図書館を使った調べる学習コンクール
今年4回目を迎えた「図書館を使った調べる学習コンクール」。9月1日~29日までに、市内の小学生より83点の応募がありました。これまでよりもバラエティに富んだテーマで、子ども自身の興味に沿って調べられた、視点が面白い作品が目立ちました。 10月の審査会で最優秀賞3点、優秀賞7点、佳作3点、特別賞1点を選出し、11月16日(土)に表彰式を行いました。 |
低学年の部 | 【最優秀賞】 | 澤田 桃歩 さん (二里小学校 2年) |
作品名:「牛と牛にゅうのひみつ」 選評:毎日飲んでいる大好きな牛乳。どんな牛からどうやって牛乳になるのだろうと知りたくなり、2冊の本を使って調べました。牛乳のひみつを6つにわかりやすくまとめています。牧場での体験やおまけのクイズまで書かれていて、楽しい作品です。 ※全国コンクールでは、佳作に入選しました。おめでとうございます。 |
中学年の部 | 【最優秀賞】 | 広津留 廉 さん (二里小学校 3年) |
作品名:「野球の歴史と道具~なぜ野球はこんなに楽しいの?~」 選評:野球の楽しさについて、いろいろな角度から調べています。10冊以上の本、新聞、そして、家族や友だちへのインタビューも交え、読み応えのある作品です。構成や表現も工夫されています。大変な労作ですが、調べる学習の楽しさが伝わってきます。 ※全国コンクールでは、優良賞に入選しました。おめでとうございます。 (伊万里市から初受賞です!) |
高学年の部 | 【最優秀賞】 | 木須 翔太 さん (牧島小学校 6年) |
作品名:「鱟(かぶとがに)~ぼくにできること」 選評:佐賀子ども新聞の取材をしたことをきっかけに、もっとカブトガニのことを調べてみたいと、学校や市民図書館の本やリーフレットを使って調べました。調べてわかったことから、さらに保護活動への意欲につながっているところが素晴らしい作品です。 |
令和元年12月7日、有田町出身の歌人・笹井宏之さんの短歌を味わう朗読会をのぼりがまのおへやで開催しました。当日は市内外
からたくさんの笹井ファンが来場し(福岡県から来られた方も!)、会場いっぱいに笹井さんの世界が広がりました。
朗読は、図書館で対面朗読をしている草ひばりの皆さん。4人で20首を朗読されました。また、宏之さんの父・筒井孝司さんと
法泉寺(有田町)の桃谷住職が特別ゲストとして出演され、ギターとオカリナの美しい音色を奏でました。桃谷住職が作曲された
『葉桜を』は、笹井さんの短歌にメロディをつけたもので、参加者は一緒に口ずさみながら笹井さんの短歌を味わいました。
美しい短歌が会場いっぱいに響きました |
開催のきっかけとなった、歌人・東直子さんの短歌 「登り窯の扉の奥のひさかたの天井の星さんさんとふる」 |
~笹井宏之さんの紹介~ 2009年、26歳の若さで惜しまれながら亡くなった夭折の歌人。独自のまなざしで描かれる世界は伝統を踏まえつつも新しく、生きる哀しみと喜び、そして命への優しさに満ちています。歌集に「えーえんとくちから」「ひとさらい」など。 |
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