平成26年12月号



森 絵都/著 偕成社

 12歳になったら中学生になる、それは誰でも当たり前のことだと思っていた。中学になったら小学生までのキャラを変える、今までの自分とは別の自分になるために。でもそれは簡単なことではないことも知っている。
1年A組24人のクラスメイツたち。それぞれの中学生活1年間を追いかけた物語。
クラス発表のドキドキから、友達になっていく過程。そしてクラスメイツになっていく。自分かもしれない、きっとみんなの近くにいる中学生の物語。



新井 紀子/著 イースト・プレス

 1秒間に1京回計算ができ、チェスや将棋のプロを破り、ダンスも踊れちゃっても、ロボットは、東大へ入ることが難しいのか?全国センター模試の結果や、今・これからの人工知能の話。
難しい!だけどおもしろい!ぜひ読んでほしい1冊!



青森県立三本木農業高等学校動物科学科卒業生 向井 愛実/著 WAVE出版

 年間十万頭以上の犬や猫が、人間の身勝手な理由で、殺処分されていることを知っていますか?処分された犬や猫の骨は、「ゴミ」として捨てられていることを知っていますか?
これは殺処分された動物の骨を土にかえしてあげたいと願い、高校生が始めた「いのちの花プロジェクト」。土にかえし、花として生まれ変わらせてあげたい。不幸な動物たちを救いたいと立ち上がった本当のお話です。



上橋 菜穂子/著 角川書店

 <独角>の頭として東乎瑠と戦ったヴァンは、岩塩鉱で奴隷となり囚われていた。ある夜、突然黒い獣たちが奴隷を次々に襲い、静かに病が蔓延していった。何が起きているのか。早く逃げろ、と何かが告げた。駆けだしたヴァンは、道すがら幼子を拾い、ユナと名付け育てることに。一方、岩塩鉱では、医術師ホッサルが、多くの遺体にある噛み跡を見つめていた。
国際アンデルセン賞作家賞受賞の上橋菜穂子さんが描く壮大なファンタジーの世界。
目の前に広がる世界は、君たちをどこへ連れていくだろうか。さあ飛び込むのは今!



梨屋 アリエ/作 こがしわ かおり/絵 講談社

 ある山のおくに、きいろオニがすんでいました。ひとりぼっちのきいろオニは、学校のこどもたちと友だちになりたいと思い、得意なお手玉をしてみせました。
こどもたちは、きいろオニが、赤くも青くもなく、つのが三本あることを笑い、きいろオニが失敗したり、泥を頭からかぶると笑って喜びました。笑ってもらえると、きいろオニは、ほっとするのです。ずっとなかまでいてほしいから。ほっとするために、無理を続けたきいろオニのおなかのまわりは、風船のようにふくれていきました。
まるで涙がたまっているようでした。