平成27年9月号



木村 達哉/著 あさ出版

 名門灘校で英語を教える通称キムタツ。独特の学習法が人気で、参考書や英単語帳を多数出版しています。そんな著者ですが、「これまでの人生挫折ばかりだった」と言います。
学生時代は英語の成績も平均点以下。当時の成績からしたら学校の先生になるなんて妄想のようなものでした。なぜその妄想が実現したか?
それは母親が「お前英語はすごいな、英語だけは誰にも負けたらアカンで」と勘違いしてほめ続けてくれ、そのおかげで「思い込み」続けることができたからだと言います。



吉本 ばなな/著 筑摩書房

 たったひとつ言いたいことは「大人になんかならなくっていい、ただ自分になってください」ということだと書いています。



おのだ めりこ/編著 高文研店

東京のある中学校では、三年生の夏休みの宿題として「身近な人たちの戦争体験聞き書き学習」というのを続けています。遠くに住む祖父母を訪ね、これまで口にすることのなかった辛い体験を聞いてくる生徒もいました。
聞き書きをすることによって、戦争がテレビの中の出来事でなく、実際に起こったことなんだと実感できるようになったといいます。22人の中学生が平和のために綴った作品集です。



吉野 万理子/著 講談社

 隣町で危険ドラッグを吸った男が次々と人を刺して逃走するという事件が発生しました。容疑者逮捕の瞬間を偶然目の前で目撃した中2の風雅は大興奮。ところがもっと驚いたことに、その容疑者は遠い親戚らしいのです。さらにショックなことに、容疑者の娘がクラスに転校してきたのです。「犯罪者の娘」と学校中の噂になり誰も近寄らない転校生を、親せきとして助けてあげるべきか?それとも知らん顔して過ごすか…。



ジュール・ヴェルヌ 新潮社

 8歳から14歳までの15人の少年たちを乗せた船がある理由から、嵐の晩に港を出てしまいました。荒波との戦いの末、ようやく砂浜にたどりつきました。上陸し探検すると、洞くつに白骨の死体と、生前記していたと思われる日記が見つかりました。そこから、ここが無人島で、自分たちは自力で生きていかなければならないことを悟ります。
15人の知恵と工夫をこらした冒険に満ちた生活は、どうやって終わりを迎えるのでしょうか。
『二年間の休暇』というタイトルでも訳されています。