『西郷の首』 | 『昭和の男』 |
伊東 潤/著 KADOKAWA | 半藤 一利・阿川 佐和子/著 東京書籍 |
藩祖の代より300年たってなお、厳格な上下関係が守られる加賀藩。足軽の子として生まれた、幼馴染の「千田文次郎」と「島田一郎」は家督と共に足軽の身分も受け継ぐはずだった。 しかし、幕末日本を吹き荒れる維新の風が、いつも一緒だった2人の運命を分ける。 それぞれの道を歩む二人は、やがて世間にその名を広く知られる事となる。西南戦争に政府軍として参加し西郷隆盛の首を発見した千田と、大久保利通を暗殺した島田として…。
(Y.E)
| 現在の天皇陛下のご退位にともない平成は30年で終わりを迎え、新しい年号に変わります。まさに、「昭和は遠くなりにけり」ですが、あの激動の昭和を日本が経験してきたからこそ、今の平和な日本があるのではないでしょうか? その激動の昭和を代表する男といえば誰を思いだしますか? 昭和史に詳しい歴史探偵半藤一利が、阿川佐和子と共に自分が思う昭和の男の生涯や生き方について語り尽くします。
(A.U)
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『きっと誰かが祈ってる』 | 『砂上』 |
山田 宗樹/著 幻冬舎 | 桜木 紫乃/著 KADOKAWA |
〈子どもの顔に笑顔を咲かせる仕事〉である保育士となって12年の島本温子。様々な理由で実の親と暮らせない0歳から2歳までの乳児が生活している乳児院で働いています。そこでは、赤ちゃん一人につき一人の養育担当者を決め、毎日の関わりの中で二人は疑似的な親子関係を築いていくのです。そして、その関係は彼らが二歳を迎える前に終わります。成長を見守ってきた担当児と別れる時には身を切られるような喪失感に襲われるのです。 ある日、我が子同然に接してきた以前の担当児が不幸になっているのではと思った温子は・・・。
(R.K) | 北海道で暮らす令央は、母ミオそして妹の美利と女3人で仲睦まじく暮らしていた。 令央は結婚後、作家になる夢を持ちながら何度か作品を応募していたが、出版社からの連絡は無かった。旦那の不貞で離婚した後、慰謝料をもらいながら実家で暮らしていたが、妹とは疎遠になっていた。 ある日、雑誌の女編集者が現れ、以前の小説を書き直してみないか持ちかけられる。母の死をきっかけに妹との関係も回復し、母と自分の秘密を書いた小説を書き直すことを決意する。 一体、母と令央の秘密とは何なのか。そして、小説は無事に完成するのだろうか。
(M.T)
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『脱!SNSのトラブル』 | 『産婆フジヤン』 |
佐藤 佳弘/著 武蔵野大学出版会 | 坂本 フジヱ/著 産業編集センター |
SNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)がスマートフォンで気軽に利用できるようになり、誰もが普段からLINEやフェイスブック、ツイッターなどを活用している状況となっています。ところが、この本で引用されているアンケートの結果では、SNS上のトラブルに巻き込まれたことがある人は、全体の48%だそうです。簡単に利用できる反面、最近でも別の形によるなりすましなど、深刻なトラブルも発生しています。 SNSで発信を続けることはプライベートを他人に教えることにもつながります。著者の佐藤佳弘さんも「便利だ」ということは「危険だ」と語っています。 この本を読んで、いま一度SNSの特徴をよく理解し、安全な使い方を学んでみませんか。
(K.S)
| 「産婆」とは今でいう助産師のこと。戦時中、病院の受付で働きながら看護婦・助産婦・保健婦の専門学校で猛勉強し、資格を取られた坂本フジヱさん。21歳ではじめて赤ちゃんを取り上げ、助産師デビューを果たしました。 終戦を迎えたあとは助産師としてだけではなく、戦争で傷ついた方々の治療にも尽力されています。幼い頃から男勝り、それとは反対に人のために奉仕する姿が魅力的です。 そして93歳の現在も助産師を続けている坂本さんのパワフルな生き方に驚かされます。 本書は坂本さんの語り口調で綴られており、坂本さんの温かい人柄が伝わってきます。今を生きる私たちを勇気づける言葉がたくさん詰まっており「よし、明日からも頑張ろう!」と力が湧いてくるような一冊です。
(H.F)
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